私は「夫がおそらくアスペルガー症候群である」という事実に、最近ようやく気がつきました。そして娘にも、アスペルガー症候群の兆候が見られます。熟年夫婦の今後と、娘の将来のためにも、アスペルガー症候群に関する知識を深めようと情報収集中です。
そんな中で多くのケースをマンガで解説してくれて、心情的にも本人たちに寄り添って書かれている本を見つけました。
本の中で、特に私がおさえておきたいと感じたポイントをお伝えしていきます。
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「マンガでわかるアスペルガー症候群の人とのコミュニケーションガイド」 福西勇夫・福西朱美著 法研
今回はこの本が教えてくれたことを確認していきたいです。
すべてのページに目を通しましたが、特に着目した部分を記しておきます。(P57,102,107,144,165,168,177,184,187)
子供にアスペルガーの特性があるか
私の娘(現在高校生)には夫と同じくアスペルガー症候群の特性が見られます。
母親の私が見るかぎり、うちの娘のケースでは中学生さらに高校生以降に対人コミュニケーションや、こだわりの特性が強くなってきたと感じます。
本の記述にあるような幼少期の特徴は、当時のうちの子には見受けられませんでした。
[赤ちゃん期]
- 抱っこが嫌い
- 目を合わせない
- こだわりが強い
- 極端な偏食
- 友達と遊べない
ただし、小学生の高学年以降は友達と遊ぶことがかなり少なくなりました。中学生になってからも夏休み中なども友達と会う約束をすることは、ほぼありませんでした。
せっかく部活の友達がプールに誘ってくれても、気が進まないと言って断っていました。
集団行動よりも一人で過ごすのを好みます。学校生活も嫌々過ごしていました。
小学校の時から「学校はいやだ」と常々、言っていました。娘にとって学校生活は、楽しいというよりも苦手だと思う場面の方が多いようです。
本人が無理なら家族が受診
本人がアスペルガー症候群という障害を認めて受け入れることは簡単ではありません。
家族が意を決して告知しても、本人が傷ついたり、強く反発したり、精神的に不安定になって、お互いの関係性もデリケートな状態にかたむいたりします。
本人か家族がサポートを必要としているかどうか |
本人が受診に協力的ではない場合は、パートナーや家族が受診しても良いことを知りました。
うちの場合、私が夫に告知した場面では認めていた夫も、やはり自分はアスペルガー症候群だとは思わないというスタンスをとっています。
時期尚早(じきしょうそう)だと判断し、娘にはまだ告知していません。
いざとなったら状況によっては、夫・娘の代わりに私が相談機関や医療機関へ相談できるという心づもりでいます。
良いところに目を向ける
厳格で細かいアスペルガー症候群の人に合わせるのは疲れます。
私は夫がアスペルガー症候群であることを認識しないまま20年を過ごしました。夫のこだわりや考えの押し付け、攻撃的なところにずっとストレスを感じてきました。
変わってくれたらどんなにラクかと思いますが…特性ゆえに変わることは期待できません。
「よいところに目を向ける」というアドバイスのもと、アスペルガー症候群の特性ゆえの恩恵も受けていることに気がつきます。
- 規則正しい生活が送れる
- 家の中が比較的整っている
- 住宅ローンが計画的に返済できた
攻撃的な時には相手にしない
アスペルガー症候群の人はトラブル発生時や、自分のペースを見出された時に感情的になりやすいです。攻撃的になると自己中心的で価値観の押し付けをしてきます。
強く相手を責め、相手の人格を否定したり、暴言が止まりません。
これは自己肯定感が著しく低いためで、自分の心をなんとかして守るために相手を徹底的に攻撃するしかない状況なのです。
攻撃的な時には人として、家族として信じられないほどの悪態をついてくるので、まともに受けると自分の身が持ちません。
ひどいことを言われて、つい言い返してしまうと、相手は悪い記憶を忘れにくいので余計にややこしくなる恐れがあります。
難しい対応を迫られます |
以前、夫がアスペルガー症候群であるとまだわかっていなかった時に、夫の一方的な決めつけに強く反発したらDV行為に発展する場面もありました。
発達障害の人の中には、感情の起伏が激しい特性をもつ人がいます。
心身にダメージを負うような場合は第三者に間に入ってもらったり、距離を置くことも必要です。
安心感を与える
夫に関して、私は以下のように考えています。
- 想像力の欠如から、スムーズに話が通じない
- マイルールが多く、周りが従わないと文句を言う
- 不安感が強いので、新しいものごとを否定しやすい
- 相手に何か言われると責められていると感じる
- 否定ばかりするが自分が否定されると過敏に反応する
- 攻撃性が強く、すぐに怒り出す
私にも悪いところはありますが、夫の圧力を受け流しながら自分のペースや要望を守る大変さを感じています。
強いこだわりを私にも押し付けてきますが、すべて夫のルールに従っていたら私の身がもちません。
できるかどうかはさておき、肯定的なコミュニケーションを取ることこそ、アスペルガー症候群の人とうまくいく最善策と言えます。
何につけても不安感がつきまとうので、とにかく安心感を与えてあげることです。
「この人は味方だ」、「自分のために言ってくれているんだ」と理解してもらい、自分の譲れない部分を少し我慢して、相手を受け入れてもらうことが大切です。
アスペルガー症候群の人には「安心感が大事」つまり「肯定的なコミュニケーションが必要」ということがわかりました。
頭ではわかっていても日常的に夫に嫌なことを言われたり、されたりするので…私はなかなか感謝の言葉を伝えることができないでいます。
【合わせて読みたい】
お互いの課題
マンガの最後に登場する夫婦のやり取りは、まるで自分たちを見ているようでした。私が抱えていた夫への違和感や謎が描かれていました。
彼の行動は理解不能…理想の押しつけ
「妻たるもの こうあるべき。言うことを聞け!」 「よくも大声出したわね!ひどい!」
支援窓口でカウンセリングを続けるうちに何かがかわってきましたと書かれています。
「…言われた人が不愉快になるなんて考えたことがなかった」、「もう言わないよ 君のことが大切だから」
別の夫婦を描いたシーンでは、アスペルガー症候群の夫にアスペルガー症候群の本を差し出すとともに「私は、あなたを支えます」と伝えていました。
その夫は「そばにいてくれるんだ 見捨てられるかと思った」と心の中で感じています。
私たち夫婦も、マンガの夫婦のようにお互いの接し方を工夫して、今一度歩み寄れたらと考えています。