アスペルガー症候群の特徴
同じ行動を好む
例えば、毎日朝食に同じ物を食べる、食事の前には決まってトイレに行く、寝る前に水を飲む…といった感じです。これらの例は普通によくあることですが、徹底的に必ず繰り返し行われるところが特徴的です。
アスペルガー症候群の人は、こだわりが強く、ルーティーン(日課)でしていることは絶対にやらないと気が済まないようです。
こだわりが最優先
犬の散歩時間も定刻 |
怒りや不安のコントロールが苦手
アスペルガー症候群とのつき合い方
【周囲が対応するための五つのエッセンス】
①三つ組の障害(※1)をPDD(※2)の特徴として理解する。
②苦手なところは、本人の責任ではないことを前提に考える。
③よいところ、長所を見つける。PDDの特徴のために起こる苦手な面は過度に非難しない。
④本人も、自分の問題点を自覚する。
⑤できれば、一つひとつの具体的な対応法は本人と話し合って決める。
※1 三つ組の障害とは
- 社会的相互交渉の障害
- コミュニケーションの障害
- 想像力の障害とその結果としてもたらされる常同・反復的行動パターン
※2 PDDとは
「広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい)」のこと。
PDDあるいはアスペルガー症候群の診断名は「自閉スペクトラム症または自閉症スペクトラム障害」へ変更されました。
三つ組の障害については、自閉症研究の第一人者のローナ・ウィング医師が定義したものです。
そして三つ組の障害に加えて、さらに二つの傾向に留意する必要があるそうです。
アスペルガー症候群 2つの傾向
①不注意
生活の中で見られる特徴としては、話を聞いていないように見えたり、忘れ物が極端に多かったりします。
②衝動性
現代的にいうと「キレる」ように怒りやすかったり、他動性の特徴とも重なりますが他人の話にも口を出したりしがちです。
[参考文献:大人の発達障害 アスペルガー症候群、AD/HD、自閉症が楽になる本 備瀬哲弘著 集英社文庫]
特徴と傾向をふまえた対応
こだわりが強く完璧主義、自分の正当性を常に主張してくるので、対応する側は正直疲れます。
自分にも厳しく、他人にも厳しいので、対人関係において「ゆとり」や「あいまいさ」も大切であることが理解しづらいようです。
ゆとり・あいまいさも必要 |
アスペルガー症候群の人にとって「ルーティーンは最優先」なので、周りの人は関わらないのが得策です。距離と時間を共有せずに別行動した方が、こだわりに巻き込まれずに済みます。
不注意に関して
物の管理が苦手なようですが、置き場所さえ決めてあげればルール通りに元に戻す傾向にあります。
鍵、腕時計、文房具など、よく使う物の「定位置」を決めてあげるとよいでしょう。
物事の前提というか、一般的な定義をふまえることが苦手なようです。
私の夫を見ていると、家電や道具の取り扱いを理解しないまま使い始めたり、うまくいかない時に原因をつきとめられなかったりします。
例えば、戸がスムーズに開かない時に、何か引っかかっていないか確認することなしに力任せに開けるといった行動を取りやすいです。
トラブルが起きているかもしれないという事実を認めるのが嫌なので、問題点を探すのではなく、とにかく通常の動作をつらぬこうとします。
周りの人が気がついて、ソフトに問題点と解決策を伝えると良いでしょう。
衝動性に関して
以前は「相手を許せる、相手に譲れる」人になってほしい、変わってほしいとずっと考えていました。
夫の特性がわかってきた今、特性による長所と短所の両方を見ることの大切さを痛感しています。
私は夫と自分の状況を整理しつつ、なかなか感情を整理できずに辛さを抱えています。
正論や理想論だけをつらねていてもむなしいので、言わせてください。
「自己中で文句が多くて、ささいなことですぐに怒り出す夫」といると毎日、気苦労がたえません。すぐキレないやさしい人と結婚したかった…と悲しくなってしまいます。
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まとめ
結論としては、アスペルガー症候群の特徴と傾向をふまえて、根気強く対応するしかありません。少し、精神的にも時間・空間的にも距離をとるとストレスが軽減できます。
本人が特性を認識しない場合は周りの負担が増すことになります。
疲弊(ひへい)してカサンドラ症候群にならないように私は気をつけますので、同じ境遇の方々、ご自愛くださいませ。
※個人の性格が唯一無二であるようにアスペルガー症候群のあらわれ方もさまざまです。私の夫の例であり、参考としてください。