自分の夫がアスペルガー症候群(自閉症スペクトラム)だと気がついてから、数ヶ月が経ちました。本やインターネットのウェブサイトから情報を得て、アスペルガー症候群の特性や対処法が少しずつわかってきました。
今の私が知りたいことは、同じ立場にある人の経験談と具体的な対応策です。
私と同じようにアスペルガー症候群の夫を持つ妻が、夫婦関係を保つために気をつけていることや、考え方について、知りたいのです。
アスペルガー症候群の夫の存在により、苦しさを感じている妻は「カサンドラ」と呼ばれています。
打ち明けてお互いに気付く為の集い |
カサンドラたちが集まって、夫にまつわる出来事や悩みをシェアする会があることを知りました。先日、初めて参加したので、わかったことをお伝えしていきます。
カサンドラの集いに参加してみる
カサンドラの集まりに参加すると、同じような悩みを持つ人たちに直接会うことができます。
普段の生活においては、なかなかカサンドラに出会うことはできないので、同じ境遇方々とお話ができる場を持つことは非常に参考になります。
初めて参加する時は緊張するかもしれませんが、いざ顔を出してみたら行動してみて良かったと思えるはずです。
ネット上で検索すれば、カサンドラの自助会が地域のあちらこちらに存在しているのがわかります。参加するかどうかはさておき、試しに最寄りの団体を探してみてはいかがでしょうか。
カサンドラの会 体験談
私の場合、近隣にカサンドラの自助会を見つけたので、すぐに申し込みました。
ウェブ上からニックネーム(匿名)で申し込む形式で、当日も実名を出すことはなく、個人情報は保護されています。
大切なのは、それぞれの人の話を受け止めることで意見や反論はタブーとされています。
私が参加した日は12名でしたが、毎月(毎回)20人程度集まっているそうです。
初参加の人が4人で、あとは複数回参加経験がある方々で、何年も通っているという方もいらっしゃいました。
主催者は一人で、会の代表で「アスペルガー症候群」に関する本の著者であり、公的機関と連携したり、マスコミの取材を受けたり、その方面で尽力されていて、ブログの運営者でもありました。
カサンドラの集いの安全性を守るために、集会で見聞きした内容(個人名・団体名など)を外に持ち出すことは禁止されています。プライバシーを侵害しない範囲でなら、感想など周りに話をしても構いません。
全体の感想としては、カサンドラの会に参加して良かったです。苦しいのは自分だけじゃないことがよくわかりました。
ただ専門家にアドバイスや解決方法を教えてもらえるというものでは、ありませんでした。
そして失敗したと思ったのは、自分の夫がアスペルガー症候群のタイプのうちどの型なのか?わからないまま参加したことでした。
当日、アドバイスをもとにタイプが判明するだろうと、私は勝手に思い込んでました。
タイプ別に異なる困りごと
イベントの申し込みフォームに「尊大型・孤立型・受動型・積極奇異型・(大仰型)」、つまりアスペルガー症候群のタイプを選択する項目があったのですが、その時点ではわからなかったので「わからない」を選んで送信してしまったのです。
私が参加したカサンドラの集会では、4人ごとのグループにわかれて、それぞれのお話を聞くという流れでした。
主催者によって私が振り分けられたのは、私ともう一人が「タイプ不明」で残りの二人が「受動型」の夫を持つグループでした。
一人ずつ、順番に自分の状況と悩みをグループ内でお話する形式で、全員が耳を傾けます。
結局、私以外の3人の方々の抱えている問題の傾向がにており、どうやら夫(パートナー)はアスペルガー症候群の受動型だと察しがつきました。
私の夫の特性や夫婦間に起こるストレスも、他の三人(受動型のケース)とは違っていました。
あとからネットの情報をもとに調べてみると、私の夫のタイプはどうやら「尊大型」だと判断がつきました。
私が参加したイベントしかり、自助会あるいは「セルフヘルプ」と呼ばれる集いでは、アドバイスをもらうのではなく悩みを吐き出すことに重点が置かれていました。
レクチャーを受けるというわけではなく、ガス抜きの場ですね。
一人で抱え込まないことも大切 |
参加する前は、アスペルガーのタイプや対応策、専門機関の相談窓口などを教えてくれるものだと、期待していました。
しかし、そうではなくカサンドラたちが自分の悩み事を同じ立場の人たちに話すことで、気持ちや体験談をシェアする場となっていました。
一同に大勢のカサンドラの方々と対面できて心強かったし、もっと話を聞きたいと思いました。
今度参加するなら、自分と同じ「尊大型」の夫を持つ方のお話をぜひお聞きしたいです。
夫がアスペルガー症候群だと気がついた点、エピソード、解決案など知りたいです。
アスペルガー 受動型の傾向
今回はアスペルガー症候群の受動型(受け身型)のケースのエピソードをお聞きして、一口にアスペルガーと言ってもタイプによって、特性や困りごとが違うことがわかりました。
受動型の夫と妻では、妻の方が立場が上というパターンが多いようです。
鈍感な夫に対して、繰り返し「前にもいったでしょ。どうしてできないの?」といったストレスを抱えて、ガミガミ怒ってばかりいる自分が嫌になるという悩みが共通していました。
「特性のせいで自分(妻)の両親に嫌われていませんか?私の母は夫を嫌っているんです」と私が話したところ、「うちも同じです」と答えてくれました。
「差し支えなければ、どんな場面か教えてください」と聞いてみました。
受動型の夫の奥様が教えてくれた例えが実にわかりやすかったです。
帰宅して車からミカンの入った段ボール箱をおろすのに、娘が重たい箱を抱えても夫は見て見ぬふりなので、その場の両親があきれてしまうというお話でした。
ダンナさんはアスペルガー症候群(受動型)の特性ゆえに、目の前の光景(重い荷物は腕力のある自分が妻や娘の代わりに持ってあげるということ)が理解できないそうです。
悪気はなく、わからないだけで、結果、重たい荷物を持たせても知らん顔という状況になってしまう…はたから見れば「なんてヤツだ!」となってしまうんですね。
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まとめ
- カサンドラの会で得られるものは大きいです。
- 一度参加してみると、思ったよりもハードルは高くありません。
- 同じタイプ(型)のエピソードが聞けると、より参考になります。