一口に「発達障害」と言っても複数種類がありますし、アスペルガー症候群(ASD)や注意欠陥多動症(ADHD)では特性が異なります。さらにアスペルガー症候群(ASD)のタイプは5種類に分類されます。
自閉症スペクトラム(発達障害)は特性が混ざり合うものとされていますが、主にどのタイプに合致するのかを認識することで対処法もみつけやすくなります。
私の夫は行動特性から察するに「アスペルガー症候群 尊大型」に当てはまるようです。
同じアスペルガー症候群でも「尊大型」と「受動型」では問題になるポイントがまったく違います。配偶者(パートナー)の悩みも大きく変わります。
ここではアスペルガー症候群の「尊大型」について、どのような困りごとが起こるのか見ていきましょう。
発達障害の特性については専門書の見解と私の考察は、かなり合致しているので、夫個人の性格というよりも特性による行動なのだと理解しています。
アスペルガー症候群の尊大型の人のすべてに当てはまるわけではないにせよ、一例としてお伝え致します。
自分の考えやペースを押し付ける
アスペルガー症候群を公表している有名人の方から連想するに、頭脳明晰(ずのうめいせき)タイプの方が結構いらっしゃいます。
頭が良いので超効率的に行動できる人も多いのではないかと考えます。
ここで自分の処理スピードの速さを他人にも要求してくると厄介です。
日常生活でも圧をかけられる
仕事にとどまらず、暮らしの中でも常に効率や生産性を追求する傾向が強いです。
例えば、夫婦二人で一緒に録画したテレビ番組を見ていても、適宜適切にリモコンを操作してCMをとばさないと文句を言われます。
文句を言わなかったとしても、無言でひったくるようにテレビのリモコンを取り、「気がきかねーな」というオーラを全面に出してきます。
洗面所、冷蔵庫、玄関…自宅で夫と動線がかぶると、「早くどけ」という圧をかけてきます。
他の人が先に使っていて、順番的に夫が後の場合でもなぜか、自分に優先権があるような態度を取るのが不思議でたまりません。
落ち度として文句を言われる
コロナ禍で夫の在宅勤務が主流となり、ほぼ毎日のように昼も夜も夫婦で食卓を供にしているのですが、いちいち「妻の至らない点」をねちねち指摘してくるので本当にストレスがたまります。
料理が得意な夫は昼食も夕食も作ってくれるのですが、私の配膳が遅いと不機嫌になって文句が止まりません。
トンカツなのにカラシを出し忘れていたりすると猛烈な嫌味が始まります。
一度気になり出すと不満がエスカレートするみたいで、ささいなことで文句(暴言)が止まりません。
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夫の目に付く所へ貼りました |
私は、もともと何をするのも遅くて同時進行で物事を進めるのが得意ではありません。
のんびり屋でおっちょこちょいの私とは正反対に、夫は2手3手先を読むタイプの人で超合理主義です。
そんなわけで頭の回転の早い夫に、毎日何回も小言を言われている現状です。
マヨネーズすらストレスに
マヨネーズ一つを取っても、いちいちストレスのタネになります。
食事の際にマヨネーズやソースの残量が少なくなっている時ってありますよね。
ここでちゃんと新しいもの(マヨネーズ)を食卓に出しておかないと「気がきかねーな」と夫に嫌味を言われるのがわかっているので用意しておきます。
ところがさらに面倒くさいことに、外袋やフタの中のシールについて夫に文句を言われるのがお決まりです。
パターン1:
すぐ使えるように新しいものを開封したものの結局、残量で足りてしまい開ける必要がなかった。
→「まだ使わないのに開封したら悪くなるだろ」
パターン2:
残量で足りそうな感じなので、新しいものは開封せずに出すだけ。
→「なんだよ。シールついたままかよ。気が利かないよね」
結局、何をしてもどちらに転んでも文句を言われるので妻としては本当に腹が立ちます。
ささいなことで常に文句を言っている父親を見ている子供にとってもストレス大です。
ささいなことで不満や文句が多い
「早めに到着しているべき」
「自分にばかり準備させるのはおかしい」
「通り道をふさいでいる人が邪魔」
「前を走る車が遅すぎる」
「このおかず、味がボケてる」
暮らしの中で、私の夫はささいなことにも常に不満を感じて、文句を口にせずにはいられません。
思ったとしても、あえて言う必要がないことをずっと隣でたれ流されると本当に苦痛です。
もちろん、私だってグチや不満を言ったりしますが頻度がけた違いなんですよ夫の場合。
毎日365日、欠かさずに文句のシャワーをくらっているとキツいです。
自分の主張が通らないとおどす
夫は自分の希望が通らない場合、語気を強めたり、おどすことで何とかしようとします。
家族に対しては「じゃあ二度と~してあげない」とか「~しても知らないからね」など不安をあおるやり口です。
何かしらの窓口の担当者と、やりとりする際に夫がキレることも少なくありません。
夫は相手の言い方が気に入らないと、圧力のある話し方になっていきます。
某カスタマーセンターに問い合わせをした際には担当者も(この人ヤバそうという)リスクを感じて、ひたすら「おっしゃる通りです」を繰り返していました。
ふに落ちないことがあれば腹が立つのが人間ですが、大人だったら怒っても冷静な態度で言い分を伝えてほしいです。
○○の7割が離婚
アメリカでは発達障害の配偶者を持つ人の7割以上がが離婚しているというデータもあるそうです。
正直言うと私も、モラハラに近い言動を夫にされると「離婚」の文字が頭をかすめます。
それでもいまだに(20年以上)アスペルガー症候群の尊大型の夫と離婚しないでいるのは、時折出現する誠実な夫の姿があるからです。
「他人なら怒って離れて行くけど、君なら許してくれる」
「怒って2~3日口をきかなくても、また話しかけてくれる」
「かせぎも良くてゴハンも作ってくれる夫がいて、きみは幸せ者だね」
別々の時間を持つこと
「カサンドラの集い」=発達障害の伴侶を持つ人の集まりでお話をお聞きしたところ、食事は別々にしているという家族が少なくなかったです。
アスペルガー症候群のタイプ別にわかれて、私は尊大型の夫を持つグループの方々4人ほどで順番に語り合いました。
子供のいる家庭では母子で一緒に食事をして、父親は別室で食べてもらっているとのことでした。子供がいしゅくしないために必要な対策だと話してくださいました。
我が家でも娘は父親と同じ部屋で過ごすことを嫌がります。私がいることで食卓を家族3人で共にしていますが、私が用事などで不在の場合は娘は自分の部屋に食事を持ち込んでとります。
知り合いには週末婚や別居婚の方もいらっしゃいます。
私も家庭内で一人になりたい時があるので自分の部屋がほしいです。
発達障害の夫婦にかぎったことではないかもしれませんが、それぞれが一人になれる時間や空間が必要だと考えます。
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答えはすぐに出ない
専門書を読んだり、ネット検索したり、経験者と交流したり、発達障害について勉強中です。
読んでみて参考になった本をのせておきます。