子供がいじめにあっていると知り、学校に相談したけれど…対応してくれない。
「どうしたらいいのか…」本当に困ってしまいます。
娘の母親として、私も経験しましたが、実際問題「学校はいじめの対応に消極的」と言わざるをえません。(すべての学校ではないし、先生によっても違います)
もとより中学校教諭の業務量は膨大で激務なのに、保護者の一人が訴えてきた問題を受け取ってしまったらスケジュールをこなせなくなってしまう恐れがあるのでしょう。
例え加害者生徒を注意したとしても、すんなりいじめが解決しないという側面を先輩教諭から聞いたり、自ら体験してきたのかもしれません。
平穏な学校生活を送ってほしい |
当初私は「先生はなぜ、いじめの加害者生徒を注意できないのか?」不思議で仕方ありませんでした。本やネットで調べてみると、先生や保護者の実状があきらかになってきました。
加害者生徒の保護者がモンスターペアレントである可能性が高く、注意指導しても解決できなかったり、逆に先生が保護者や生徒から攻撃される危険性があります。
単純に考えると、加害者側の生徒と保護者よりも、被害者側の生徒と保護者をだまらせる方が簡単なんです。
こんなひどい言い方をして申し訳ありません。どんなに多忙でも子供の為に労をおしまない先生がいらっしゃる一方で、知らんぷりをきめこむ先生がいるのも事実なんです。
学校現場、子供の状況、先生個々の考え方、上司の方針、保護者の求めるものによって、いじめの対応は変わってしまいます。
しかしながら、どんな解決手段・ルートがあるのか知っておく事が重要です。
では学校に対応してもらう方法について、お伝えしていきます。私たち親子の経験談で中学校のケースです。
中学校にいじめの相談をする手順
一番理想的なのは担任の先生に相談して解決に向かう事ですね。
保護者としても、学校に電話をしたり、アポイントを取って学校に出向くのは気が引けますよね。中には、言い出すのが苦手な親御さんもいらっしゃると思います。
三者面談や何かの説明会など、行事の折に相談するのが抵抗も少ないと思います。
ところが担任の先生に相談しても、特に動きがなく状況が変わらないなら、学年主任、生徒指導担当の先生にコンタクトを取りましょう。
学校におけるいじめの相談先
- 担任
- 学年主任
- 生徒指導専任
養護教諭やスクールカウンセラーも相談先としてあげられていますが、両者は生徒の心身のケアが主です。問題の根本的な解決を求めるには、担任、学年主任、生徒指導専任教諭に相談します。
※子供の状況の緊急度にもよりますが、いきなり校長先生に連絡を取るのは物事の順序から言って得策ではないと言えます。
いじめの対応の責任者=生徒指導専任
先に述べた「生徒指導専任」の先生は、保護者等からいじめの相談連絡を受けた場合には対応・行動する事が義務づけられています。
「生徒指導専任は通報を受けたら、チームを組んで対応、報告しなければならない」と文部科学省の決まりで定められています。
つまり、知らんぷりはできないルールになっています!
このような生徒指導専任の役割をご存知でしたか?私は初耳でした。
「生徒指導専任」なるものの存在や役割は、生徒や保護者にはほとんど認識されていないのではないかと私は感じました。
多くの中学校で「生徒指導専任教諭」がどれほど役割を果たしているかは、わかりませんが全ての中学校で配置されています。(私が認識したのは公立中学の話で、私立中学に関しては定かではありません)
学校にいじめを相談した実例
私は自分の娘がイジメにあっていた時に、担任・学年主任・部活の顧問の先生の順で、相談しましたが対応してもらえませんでした。
被害者側が学校にしてほしかった事
- 授業中や学校内で行われている加害者の攻撃的な言動をその場でたしなめてほしい=いじめを抑制する
学校側の対応
- 相談した保護者に対して「無理して学校に来なくてもいいです」という返答
- スクールカウンセラーのカウンセリングを受ける様にすすめられる(月に数日スクールカウンセラーが来校している)
私は「どうして先生が生徒の言動を注意できずに放置するのか?」不思議でなりませんでした。
娘から学校の様子を聞いて判断するに、現在の学校現場では先生と生徒の関係性や授業中の私語の量も、自分の時とは異なり、想像を超えているみたいです。
加害者生徒(女子)が先生を苗字で呼び捨てにしても教師はたしなめないそうです。生徒間じゃないですよ。先生本人に対して「ヤマダー(例)」と苗字をのばして呼ぶそうです!
教師を呼び捨てにする生徒の存在を知り、「学校の先生も大変なんだ…」、「注意したくてもできないのか…」と考えました。
学校現場にも複雑な事情があるだろうとは思います。でも親にしてみれば子供が不登校になるかどうかの瀬戸際なので黙っていられません。
担任・学年主任に相談してもダメ
普通に相談(担任や学年主任)しても、対応してもらえないケースは多いのかもしれません。
昨今、不登校の生徒の存在は珍しくないです。私の娘が通っていた中学のクラスにも二人、不登校の生徒さんがいました。
私は担任の先生に「不登校の生徒は学年で何人ですか?」と質問しましたが「個人情報なので、お伝えできません」と返答されました。
名前じゃなくて人数を聞いただけなんですけどね…
娘に対する嫌がらせをどうする事もできないまま、娘は学校に行き続けました。
初めて学校に相談したのが7月で、次は11月と12月。その間に娘は過呼吸・パニック障害の発作を起こす様になり、発作の回数が増えていきました。
大きな発作が出て、早退する娘を迎えに行く日も増えました。
自宅の電話がなると「学校から電話がかかってきた!」と思い、ドキドキして私も過ごしていました。
電話=悪い知らせというイメージでした。
この先どうなるの?どうしよう |
知人教師直伝 いじめの対応をしてもらう方法
数ヶ月間、何も解決できずに娘のパニック障害の症状が悪化していきました。解決の糸口を見出だしたくて、知人の中学校教諭に相談しました。
知人とは私の兄弟で、中学校の教師歴20年以上で、別の市内の学校に勤務しています。
私は全てを話し、そうしてベテラン教師が「生徒指導専任教諭にいじめの対応を依頼する!」事を教えてくれました。
前述でお伝えした学校での相談先の3番目、生徒指導専任に関して学校側が保護者の私にアナウンスする事はありませんでした。
私:「生徒指導専任?そんな人知らないけど…」
知人教師:「校内に必ず、生徒指導専任になっている先生がいるから」
私:「そーなんだ。学校側は何も言ってなかったよ」
私は春に発行配布された中学校の広報誌を持参していたので、開いてみました。
全学年の各担任の先生はもちろん、養護教諭等、校内の全職員の名前と写真、プロフィールが掲載されています。全職員の紹介の中に「生徒指導専任」の文字をみつけました。
学校内にただ一人ですね。娘の中学校では保健体育の男性教諭が生徒指導専任を担当していました。
そういえば、体育祭や学校行事の折に門番として立っている人「コワモテ風」の先生がいました。「生徒指導専任」はヤンチャな生徒を監視する役目を受け持つ風潮もあるようで、見た目が恐い先生がなるという傾向があります。
私:「えーっ、何か相談しにくいなー(イメージで判断してスミマセン)」
知人教師:「とにかく、生徒指導専任はいじめの相談を受けたら、チームを組んで対応しなければならないルールだから」
私:「うーん。これまでの学校の感じだと、校長とか学校の方針で対応したくないみたいなんだよね」
知人教師:「例え嫌でも!生徒指導専任の義務でありルール化されているから対応せざるをえない!!」
つまり、中学校教諭直伝「いじめの対応をしてもらう方法」とは、生徒指導専任に相談する事で対応への強制力を持たせるというものです。
せっかく教えてもらった秘策ですが、私は自分なりに総合的に判断して、生徒指導専任に連絡を取る事はしませんでした。
時期がもう冬休みを迎えており、年が明けたら2ヶ月ちょっとでクラス替えです。5ヶ月間できなかった事が2ヶ月で解決に向かうとは思えません。
学校側に強行に対応を迫るよりも、新年度からイジメが起きない様にクラス編成時の配慮を求める道を私は(娘も)選びました。
知人教師には、年明け以降は先生方の業務が忙しくなるから年内に生徒指導専任に連絡を入れた方が良いとアドバイスされました。
とても悩みましたが、これまで相談してきた各先生方の反応や行動、学校の雰囲気、時期と自分の直感で判断しました。
私たちは「いじめの解決」をあきらめて「身を守る為の行動」をしました。
クラス編成時の要望
- 加害者生徒(主に二人)と娘を同じクラスにしない事
- 担任は □□先生が望ましい事
- 生徒の△△さんと同じクラスが望ましい事
クラス内でのいじめが原因でパニック障害を発症してしまいましたが、この先も登校を続け、無事に卒業したいのでクラス替えについて考慮、対応をお願いしたい旨を要望書として提出しました。
レポート用紙に手書きという簡易的なものを12月に担任の先生に手渡しをし、4月に要望は聞き入れられました。
要望書を出しても、学校側はクラス発表の当日まで公言できないので、どこまで要望に応じてもらえるかは、その日までわかりません。要望書は学校がクラス編成の準備に入る前の1月か2月の早いうちに出しておいた方が安心です。
知人教師には、今回のケースなら要望は考慮してもらえるはずとアドバイスされていました。
娘は、私が担任、学年主任、顧問の先生、スクールカウンセラー、知人教師に相談する様子を知っていて「中二の残りの期間は我慢する」という選択しを受け入れてくれました。
本人に我慢をしいる選択が正しかったかどうかは、わかりません。
結果としては、「身を守る為の要望」が通り、中三の新しいクラス以降いじめから解放されました。
学校にいじめの対応を要請する方法 別ルート
教育委員会、県、市、法務局がそれぞれ設置している相談窓口があります。毎年、子供が学校経由で各相談窓口が掲載されているリーフレットをもらってきます。見たことありませんか?
インターネット等で調べれば、複数の公共機関の相談窓口がみつかります。
文部科学省のサイトに、子供のSOS相談窓口として各教育委員会、法務局、警察、児童相談所ほか一覧がありますので、リンクを載せておきます。
例;横浜市教育委員会作成のリーフレットに掲載されている相談窓口
いじめ110番
電話番号0120-671-388
24時間365日
横浜市青少年相談センター
電話番号045-260-6615
月~金8:45~17:00
ユーステレホンコーナー
<神奈川県警察少年相談保健センター>
電話番号0120-45ー7867
月~金8:30~17:15
子どもの人権110番<法務局>
電話番号0120-007-110
月~金8:30~17:15
教育委員会作成のリーフレット |
相談を寄せた際に学校名を伝えると、受付機関より学校へ対応要請が入ります。外部からの対応依頼というカタチになるので、学校側も知らんぷりが難しくなります。
なお知人教師によると、いきなり外部ルートを使うよりまずは、担任の先生へ相談する事から始めた方が良いとの見解でした。
ただ、どんなに正しい手順をふんでも、数ある窓口に相談しても、いじめが解決できないケースもあります。どんなに助けを求めても、どうにもならない場合もあるという事を覚悟しておかなければなりません。
いじめは絶対に悪い事ですが、加害者を改められるとは限りません。いじめをやめさせる事ができなければ、いじめから離れる別の方法を考えるのも大事です。
まとめ
担任・学年主任の先生に子供の相談をしてもダメなら別の相談窓口・ルートがあります。
- 生徒指導専任に連絡する
- 公共の相談窓口で学校名を告げる
子供の問題は、正解が一つではなく、ケースバイケースです。
すぐに解決できなかったとしても、あなたが何とかしたいと思っている気持ちは、お子さんに伝わっているはずです。(私はそう思います!)