子供が中学2年生の時に初めて、学校の先生のすすめでスクールカウンセラーのカウンセリングを受けました。いじめが原因で娘が過呼吸(パニック障害)の発作を起こすようになり、学校に相談したところ、カウンセリングを受ける事をすすめられました。
うちのケースでは生徒本人だけではなく、母親の私も呼ばれました。親子同席ではなく別々で、カウンセラーと生徒、カウンセラーと保護者でカウンセリングを行いました。
後から知って私は驚いたのですが、意外にも相談内容はスクールカウンセラーから学校側へ報告され、担任の先生や顧問の先生方に情報が共有されました。もし担任の先生や子供に話してもらいたくない部分があれば、その旨をスクールカウンセラーに伝えて確認しておいた方が良さそうです。
では実際に私がスクールカウンセラーのカウンセリングを受けてわかった事や感じた事をお伝えしていきます。(神奈川県の横浜市の公立中学校の一例です)
スクールカウンセラーの役割・体制
スクールカウンセラー(SC):臨床心理士
固定1名(月に数日来校)
相談日:月3回程度
時間:10:10~15:30の枠で1回50分(例)
申込方法:相談室直通電話か担任経由
学校から配布されるお知らせプリントに日程や連絡先が記載されています。
悩み多き学校の日々 |
私の娘のケースでは学校側の強いすすめもあり、いざ申し込みをしようとスクールカウンセラーに連絡を取ったところ、当月中は枠が満杯と言われて驚きました。そこでスクールカウンセラーに相談を寄せる生徒や保護者が多いという事実を知りました。
翌月の相談日の枠に予約を取り、月1回のペースで、子供は計3回、保護者の私は計2回のカウンセリングを受けました。
いじめの相談をしたらSCをすすめられる
娘はいじめが原因でパニック障害になり、カラダもココロも苦しくなり「学校へ行きたくない」と毎朝言う様になりました。学校に行くのは苦痛でしたが行かないのも嫌なので、娘は自分の意思で登校を続けました。
私は担任の先生や学年主任の先生に「いじめの実態」や「娘の心身の状況」を相談しました。しかし学校側は、いじめの根本的な対応はせずに私たち親子に「スクールカウンセラーによるカウンセリング」をすすめてきました。
結果から言えばカウンセリングは気休めで、私たち親子にとって得られるものはあまりありませんでした。(抱えている悩みや、SCとの相性によっては有意義なケースも、もちろんあると思います)
学校側にしてみればSCによるカウンセリングを紹介した事で、何かしら対応したというスタンスを得られるのかもしれません。
カウンセリングも対応の一つではあるので全否定するつもりはありません。カウンセラーはメンタルヘルスの専門家であり、頼りになる存在だと思います。
ただ先生がいじめの根本的な対応はせずに、スクールカウンセラーを生徒と保護者にあてがって済ませるというやり方に違和感を覚えました。
私と娘が専門書に記載されていたチェックリストを使って確認したところ、娘はおそらく「パニック障害」を発症していると判断しました。パニック障害の治療には、臨床心理士による「認知・行動療法」というものがあります。簡単に言うと「考え方のクセをなおしていく」というものです。
スクールカウンセラーは心療内科勤務の臨床心理士です。ただ校内の相談室においては、ヒアリングが中心のカウンセリングにとどまり、治療に向けたカウンセリングというわけにはいきません。
成果としては、娘を心療内科に連れていくべきかどうか?母親として迷っていたので、その確認ができたのは良かったです。現状ではパニック障害で受診するレベルには至っておらず様子を見る事になりました。
実際にSCのカウンセリングを受けた感想
学校の先生のすすめで子供がスクールカウンセラーのカウンセリングを受ける事になりました。ケースにもよるのでしょうが、娘が初めてカウンセリングを受けたその日にカウンセラーの方から自宅に電話が入りました。娘だけではなく母親からも話を聞きたいとの事で、相談日を決めて、後日私も学校の相談室へ足を運びました。
相談室でスクールカウンセラーと私の二人きりでカウンセリングが行われました。(SCは50代位の女性の方なので気まずい雰囲気ではありません)
相談したい内容を聞かれたので娘の状況を伝えました。
- クラスでいじめにあっている事
- いじめが原因で過呼吸(パニック障害)の発作が頻発している事
- 登校拒否手前の状態である事
- 気力がないので、しばらく部活をお休みしたい事
相談者とカウンセラーの相性も関係あるのかもしれませんが「カウンセリングを受けた意味あったかな?」というのが私と娘の正直な感想でした。
SCへの相談内容は学校側に筒抜け
スクールカウンセラーとの相談内容は相談室内に閉じた話かと思いきや、担任の先生や顧問の先生に伝えられていました。後日わかったのですが、相談室で話した内容は学校側に筒抜けでした。
スクールカウンセラーから私に特に確認や説明はありませんでしたが、学校側が生徒の意向や状況を把握する為に相談内容を共有しているのでしょう。しかし残念ながら、SCと学校で情報が共有されても担任や顧問の先生の対応に活かされる事はありませんでした。
子供の不安を減らしたい |
スクールカウンセラーは気休め
個人の感想ですがスクールカウンセラーによるカウンセリングは気休めに過ぎないと感じました。他校の保護者に話を聞いても「スクールカウンセラーは保護者(生徒)の不満のガス抜きが役目」との見解でした。
私はたった一人のスクールカウンセラーの方としかやり取りしていないので、その方に限った話になってしまいますが…
そのスクールカウンセラーの方が、私の娘について「○○さんは良い所もいっぱいありますから…」と発言されたのが特にひっかかりました。親の欲目で言うと、娘はまじめで、人の嫌がる事を決してしない、自分を後回しにする優しい子です。
私はスクールカウンセラーが「○○さんは弱いけど、良いところもあるから…」と言っている様に聞こえました。
陽キャに嫌がらせされたら「やめて!」と一言、言えばいいのに、やられっぱなしだから陰キャの立場になるんだよ…
そこまでは思ってないにせよ、スクールカウンセラーや学校の先生は「弱い子だから…」という目で見ている気がしてなりません。(※私から見た、私の立場の、私の考察です)
スクールカウンセラーのカウンセリングを娘が受けたのは、1月2月3月の各月1回ずつ計3回で成果も特にありませんでしたが、4月にクラス替えを迎えて、いじめからは解放されました。
いじめの問題はなくなりましたが、パニック障害の症状が落ち着くには少なくとも数ヶ月かかります。娘もカウンセリングの継続を希望しなかったので、4月以降相談に行く事はありませんでした。7月に部活を引退してからは過呼吸(パニック障害)の発作も減っていきました。
スクールカウンセラーにサポートされたケースも
私の友人のお子さんは小6~中2まで不登校を経験しました。母親は、その子の居場所を探したり、勉強方法を考えたり、将来や進学の事などを模索していました。家庭教師の先生を呼んで自宅学習を続けながら、どうしたら登校できるか見守っていました。
放課後に他の生徒がいない環境で担任の先生と教室で話したり、相談室でスクールカウンセラーと面談をしたり、その子のペースで学校の場所や人に慣れていきました。中学校の先生方、スクールカウンセラーがその子をサポートしつつ信頼関係を作りながら、慣らし期間をへて、中3の新学期から登校を始める事ができました。スクールカウンセラーが力になるケースももちろんあるという事です。(他校の他のスクールカウンセラーの件です)
スクールカウンセラーも人間なので、相性があります。相談して良かった?良かった!と感じ方は様々です。
まとめ
- スクールカウンセラーはメンタルヘルスの専門家です
- スクールカウンセラーは週1回程度来校します
- 相談は相談室で個別に行われます
- 相談内容は学校内で共有されます
学校によっては予約が満杯になるほど多くの生徒や保護者がSCのカウンセリングを受けています。相談を考えている方は気構えずに連絡を取ってみてください。
私と娘の場合は相談は気休めだったという感想を持ちましたが、プロのカウンセリングを試して損はないと思います。