自転車のタイヤに空気が入らない、または抜けやすいと感じたら、まずバルブと虫ゴムから確認するのがオススメです。
ある程度、自転車の不具合と修理の経験を重ねてくると、どこから点検すべきかわかってくるものです。何でも経験して初めてわかるので、初めはとまどってしまいますよね。
そこで今回は、「虫ゴムを交換したのに空気が入らない」というパターンから「虫ゴムって何ですか?」という人まで、自転車のメンテナンスの問題解決について確認していきます。
虫ゴムは切ってはめるだけ |
虫ゴム交換経験者は目次からワープして必要な部分だけ読み進めてくださいね。
虫ゴムを知っていますか?
実は自転車の空気抜けの原因で多いのが虫ゴムの劣化です。不具合が起こるまで虫ゴムの存在を知らない人が多数です。
虫ゴムとは自転車のタイヤに空気をいれる際に空気入れの差し込み口となるバルブに内蔵されている極細のチューブのことです。普段、目にすることはありませんがメンテナンスでバルブ本体を車輪から引き抜くと虫ゴムが出てきます。
虫ゴムの存在はあまり認識されていませんが、一般的な自転車(いわゆるママチャリ)にはほぼ虫ゴムが使用されています。知らなくてもみんな虫ゴム愛用者なんです。
そして虫ゴムには寿命があり、少なくても1年に1度位は交換する事が推奨(すいしょう)されています。
虫ゴムの交換方法
- 黒のゴムキャップを外す
- ナットを指でゆるめて外す
- バルブ本体を上に引き抜く
- 劣化した虫ゴムを外して新しいものをはめる
- 元にもどして空気を入れて完了
※虫ゴムは22mm程度に切り、バルブ本体のでっぱり部分までしっかりかぶせる。
バルブの虫ゴムは1年ごとに交換、タイヤの空気は2ヶ月ごとに入れる…自転車に詳しい人からすれば当たり前の事かもしれませんが、自分を含めて多くの一般人はそんな認識は持ち合わせていないのが実状です。
中学高校の技術家庭科の授業で教えてほしいくらいです。自転車の整備点検の最小限の基本が教科書に載っていたら有益だと考えるのは私だけでしょうか?
ママチャリは英式バルブが一般的
自転車のタイヤの空気チューブの口金であるバルブには3種類あります。
仏式バルブ=ロードバイク
米式バルブ=マウンテンバイク
英式バルブ=一般的な自転車(ママチャリ)
英式バルブは自然に空気が抜けていってしまうので、定期的に空気を補充しなければなりません。
自転車のタイヤを指で強く押してパンパンな位、空気が満杯(まんぱい)であれば、ペダルをこぐ負荷が余計にかかることもなく良好な状態です。もし、自転車のタイヤを指で押してへこむ位、空気が不足していたらペダルも重いし、車輪、車軸に悪影響をおよぼします。
タイヤの空気が少ない状態で長期間、自転車の使用を続けているとタイヤの中のチューブに片寄りが起こったり、パンクの原因になったりします。
自転車の最小限のメンテナンス
多くの人が自転車に何か問題が起こってから対応するというパターンになりがちですが、快適に自転車に乗り続けるために3つのメンテナンス作業を頭に入れておきましょう。
- 2ヵ月に1度目安でタイヤに空気を入れる
- 1年に1回程度、虫ゴムを交換する
- 3ヵ月に1回程度チェーンに注油する
虫ゴムも注油用の機械油も百円ショップで購入できます。
私はダイソーで買いました。虫ゴムは一つ買っておけば何回も交換できる長さです。万能オイルは60ml入りです。
買っておけば自分でできます |
虫ゴムの交換も、チェーンの注油も一回やっておけば、簡単な作業だとわかります。
最近、私は自転車愛にあふれた店員さんにアドバイスを頂きました。
こまめにタイヤの空気を補充する事とチェーンの注油も忘れずに行うように釘をさされました。特に変速ギアが付いている自転車は注油が欠かせないし、たまに全部のギアを使ってかみ合わせの調子を整えた方がよいとの事でした。
チェーンに注油する際はチェーンの一つ一つに機械油をたらしてなじませると良いそうです。少し面倒な気もしますが、チェーンの不具合で自転車修理店に持ち込むよりも費用も時間もかからないのでオススメです。
虫ゴムを交換しても空気が入らない
虫ゴムを新しく付け直したのに、うまくタイヤに空気が入らない…ナットのゆるみでも、パンクでもないのに?
なぜかタイヤの空気がパンパンになってくれない…困っている人は実は多いんです。自転車のタイヤに空気が入らない原因は、虫ゴムの付け方が悪かったり、いくつかの要因が考えられます。
虫ゴムをバルブ本体の突起部分におおいかぶさるまで充分に押し込む事が重要です。それでもダメなら私がおちいったパターンを確認してみてください。
スーパーバルブに虫ゴムを付けようとしていませんか?
私が経験した自転車に空気が入らない原因はそれでした。以前、7年ほど前に私が自転車を購入した際に店員さんにすすめられてスーパーバルブを使用していたのです。もともと付いていた通常の英式バルブは外されて交換でスーパーバルブがセットされていました。
7年が経過し、自分の自転車のバルブがスーパーバルブになっている事をすっかり忘れていました。私はバルブの形状や違いもわかっていなかったので、本来虫ゴムを使わないスーパーバルブに虫ゴムをはめようとして、うまくいかず空気が入らない状態になっていました。
スーパーバルブを使用している自転車でタイヤの空気抜けがおこった時は…
①新しいスーパーバルブに交換する
②新しい虫ゴムを付けた英式バルブに交換する
上記の2通りから選択します。
私は通常の英式バルブを保管してあったので、買ってきた虫ゴムを切って取り付けて解決しました。
ダイソーにスーパーバルブも販売されているので、好きな方を選んで交換してください。スーパーバルブにも寿命があり、数年ごとに交換が必要です。
スーパーバルブを使用するメリット
- 空気の持ちが良い
- 空気を入れる頻度が2ヵ月→5ヵ月位にのびる
- 虫ゴムより交換頻度が低い
- 買ってそのまま使える
百円ショップの虫ゴムやスーパーバルブは長持ちしないという意見や、品質的に問題ないという意見もあり評価はさまざまです。
空気入れが壊れている
パンクと虫ゴム以外で、自転車に空気が入らない要因として盲点(もうてん)だったのが空気入れの故障です。空気入れの動作確認をしてみても不具合がよくわからない場合があります。
私の家には、おさがりの古い自転車の空気入れがありました。長年使用していましたが、ある時からうまく空気を補充できなくなりました。自転車のバルブに空気入れの差し込み口を入れて固定するのですが、何度ポンプを押し出してもタイヤの空気がいっぱいにならないのです。
途中から空気がもれている音も感じもないのですが、ポンプを力いっぱい押し下げてもいっこうに空気が入っていかず、タイヤをさわるとへこむ感触がします。
自宅の空気入れがあやしいと思ったら、他の空気入れで試してみましょう。量販店(ドンキホーテやサイクルオリンピックなど)の入口に無料で使用できる自転車の空気入れを設置している店舗があります。
私は自転車の空気入れが壊れていると気がつくまでにけっこうかかりました。もし自転車に空気が入らない場合は、空気入れも疑ってみてくださいね。
まとめ
- 虫ゴム交換でうまくいかない時はスーパーバルブを使っていないか確認する事
- バルブやチューブ(片寄りやパンク)の問題がなければ、空気入れを確認する事
- 定期的なメンテナンス(空気の補充・虫ゴム交換・チェーンの注油)が大事